最終フィルターって何?役割や使用するメリットを解説!

最終フィルターって何?役割や使用するメリットを解説!

超純水製造装置の採水口には、最終フィルターが取り付けられていますが、その役割を知らなかったり、本当に必要なのかと疑問に思ったりする方もいるかもしれません。本記事では、最終フィルターの役割や使用するメリット、適切に使用するための初流排水などについて解説します。

最終フィルターの2つの役割

超純水製造装置は、純水に含まれる不純物をイオン交換樹脂やフィルターなどで取り除いて、超純水を製造します。超純水製造装置の中でイオン交換樹脂を通過した水には、極微量ですが微生物や微粒子などの不純物が含まれており、最終フィルターは、これらの不純物を採水の直前に取り除く役割を担っています(図1)。また、超純水製造装置の外部から空気中の不純物が混入し、装置が汚染されるのも防いでいます。

図1 最終フィルターの役割

最終フィルターがないとどうなるのか?

最終フィルターがない超純水装置では微粒子除去機構がないため、グラフが示すとおり超純水への微粒子の混入が防げません(図2)。そのため、最終フィルターは必要となっています。
最終フィルターは、最後の関門になっており、最後のフィルターで磨き上げて「超純水」に仕上げております。

図2 超純水中の微粒子数比較

(出典元 弊社Webinar超純水・純水の最新技術と超純水の使い方のポイントより抜粋)

実験の目的に応じて、最終フィルターを選択することが重要

最終フィルターには、複数の種類があり、それぞれ取り除くことができる不純物が異なります。最終フィルターを適切に選ぶことで、実験の目的に合った水質の超純水を得ることができます。例えば、細胞培養や分子生物学の実験で用いる超純水を精製する場合は、酵素などのタンパク質や生理活性物質を除去できるBiopak®を使用するのがおすすめです。DEPC処理などを行わずに、RNaseやDNase、エンドトキシンフリーの超純水を精製することがきます。心筋細胞を培養する際、培地調製にBiopak®で精製した超純水を使用することで、細胞の生存率が向上することもわかっています(図3)。ほかにも、液体クロマトグラフィー(HPLC)や液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)で用いる超純水を精製する場合は、バックグラウンドの原因となる夾雑物を除去できるLC-Pak®を使用することで、バックグラウンドの低減が期待できます(図4)。

図3 水質が心筋細胞培養に及ぼす影響

(出典元: Application Note: Endotoxin-Free Water for Tissue Culture)

 

図4 水質がHPLCおよびLC/MSのバックグラウンドに及ぼす影響

(出典元: LC-Pak® Point-of-use Polisher )

初流排水について知っていますか?

超純水製造装置の内部では、純度を維持するために定期的に水が循環しています。しかし、最終フィルターの部分は循環していないため、時間が経つと徐々に水質が下がってしまいます。そのため、採水する前に最終フィルター部分に溜まった水を、十分に排出することが大切です。100 mL程度排水することで、超純水の全有機体炭素(Total Organic Carbon、以下TOC)値を低減することができます(図5)。毎回実施する必要はありませんが、その日に初めて使うときや、しばらく使っていなかったときは、数10秒ほど排水するようにしましょう。

図5 初流排水量とTOC値の関係

(出典元: 超純水使用の10のルール

一台の装置で数種類の超純水を採水することも可能

同じ研究室内で異なる実験を行うなど、複数の種類の超純水を採水したい場合があるかもしれません。複数のディスペンサーを使用し、それぞれ違うタイプの最終フィルターを取り付ければ、一台の超純水製造装置で数種類の超純水を精製することができます(図6)。費用や設置面積を抑えて、実験の内容に合わせた最適な水を選択することが可能になります。この機会に実験の目的に合った最終フィルターを適切に使用できているか、ぜひ見直してみてください。

図6 一台の超純水製造装置で数種類の超純水を精製することが可能

最終フィルターは、毎日目にしていてもその役割をあまり意識することがない方もいるかもしれません。この記事で、最終フィルターの役割と大切さがお伝えできたら幸いです。

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