DIGシステムにおけるオリゴヌクレオチドプローブ作成方法

DIGシステムにおけるオリゴヌクレオチドプローブ作成方法

DIG標識オリゴによるハイブリダイゼーション

ハイブリダイゼーションによる核酸の検出には、RI(放射性同位元素)を用いる方法と、抗原抗体反応と化学発光を利用する方法とがあります。DIGシステムは後者のひとつで、ステロイドハプテンであるDigoxigenin(ジゴキシゲニン)を結合させたUTPをプローブ中に取り込ませることによって標識を行います。

この方法は、RIを使用しないため以下のような利点があります。

  • 安全性が高い
  • 高感度である
  • プロトコールが確立されている
  • 短い露光時間で検出が可能である

したがって、サザンブロットなどのフィルターハイブリダイゼーションやin situハイブリダイゼーションを行う際には、DIGシステムの利用を検討するとよいでしょう。

DIGシステムはDNA、RNA、オリゴヌクレオチド、いずれの核酸の標識にも使用することができますが、この記事では、特にDIGを用いてオリゴヌクレオチドを標識する方法や注意点について紹介します。

オリゴヌクレオチドの標識

ISH(in situハイブリダイゼーション)をはじめとするいくつかのアプリケーションにおいて、DIG標識合成オリゴは最良のハイブリダイゼーション・プローブとなります。DIG標識オリゴはハイブリダイゼーション用途として、ISH以外にも以下の目的に使用できます。

  • ドット/スロット・ブロット
  • ライブラリースクリーニング
  • サザンブロットによる遺伝子配列の検出
  • ノーザンブロットによる多量のmRNA検出

DIG標識オリゴを用いた手法の代表的な3つのパターンを、その反応条件と特徴を示しながら以下に列挙します。

  1. Labeling 5´ end with DIG-NHS-Ester(5'末端ラべリング) 反応条件
    ・ヌクレオチド必要量:100nM
    ・所要時間:一晩
    ・インキュベーション温度:+15〜+25℃

    特徴
    ・テンプレートはごく少量で良い

  2. Labeling 3´ end with DIG-ddUTP(3'末端ラべリング)
    反応条件
    ・ヌクレオチド必要量:100pM
    ・所要時間:15分
    ・インキュベーション温度:+37℃
    ・検出能:10pgDNA

    特徴
    ・テンプレートはごく少量で良い
    ・標識プローブは精製なしで使用できる
    ・反応を容易にスケールアップできる(インキュベーションを1時間に延長)

  3. Adding a 3´ tail of DIG-dUTP and dATP(テイリング)
    反応条件
    ・ヌクレオチド必要量:100pM
    ・所要時間:15分
    ・インキュベーション温度:+37℃
    ・検出能:1pgDNA

    特徴
    ・テンプレートはごく少量で良い
    ・末端ラベリングよりも高感度のプローブを生成できる
    ・標識プローブは精製なしで使用できる
    ・反応を容易にスケールアップできる

標識したプローブの定量

ラベルされたプローブの定量法としては、DIG標識プローブの希釈系列と、既知の濃度のDIG標識コントロール核酸とを比較する「直接検出法」が推奨されます。ただし、PCRラべリングによってプローブを作成した場合には、直接法ではなくゲル泳動による評価が必要です。

直接検出法によってラベリング効率を同定する場合は、次のような手順で行います。

  1. ナイロンメンブレンに、DIGラベルされたプローブの希釈系列を液滴します。(所要時間:15分)
  2. 発光基質溶液を用いて免疫検出を行います。(所要時間:2~2.5時間)

以上、DIGシステムによってオリゴヌクレオチドを標識する方法について紹介しました。核酸の検出感度や手法について悩んでいる方はぜひ一度、DIGシステムを検討してみてはいかがでしょうか。