【初めての論文投稿①】執筆準備から掲載までの流れを知ろう

【初めての論文投稿①】執筆準備から掲載までの流れを知ろう

半年後を見据えて準備しよう

「そろそろ投稿論文を書き始めなくては」と思いながらも、なかなか手を付けられないでいる人はいませんか?「何から始めればいいのかわからない」「データがまだ充分でない」など悩みの大きさは人それぞれかもしれません。最初の一歩を踏み出すためにおすすめなのは、「いつまでに論文をアクセプトされたいのか」をイメージすることです。

例えば、日本学術振興会の特別研究員へ応募することを考えている場合、書類を提出する時期までにアクセプトされた査読付き論文があると心強いはずです。また学位取得要件のひとつに論文掲載が設定されている場合は、学位審査の申請書類の提出時期までにアクセプトされておく必要があります。

投稿準備を始めてからアクセプトされるまでの期間は人によって様々ですが、最低でも数か月はかかります。論文執筆に慣れていない大学院生の場合は最低でも半年は見積もっておいたほうがよいでしょう。

連載第1回目となる本記事では、準備から論文掲載までの流れを概説します。プロセス全体のイメージをつかんで、自分の投稿計画を立ててみましょう。

困難なのが当たり前 論文掲載までの道のり

英語が母国語でない研究者にとって、1本の論文を書きあげるのは大変な作業です。 最初からすらすら書ける人はほとんどいません。

しかし論文は書く回数を重ねないと上達しません。指導教員や先輩に任せっきりにするのではなく、できる限り自分で取り組みましょう。そして何度も失敗しながら論文の書き方を身につけてください。

苦労は多い論文執筆ですが、雑誌に掲載されれば全世界の研究者に読んでもらうことができます。自分の研究内容が国境を越えて伝わる喜びと達成感は、他ではなかなか味わえない研究者の醍醐味でしょう。

以下に論文掲載までのプロセスを簡単にまとめてみました。

  1. 準備
  2. 投稿ジャーナルを選ぶ
  3. 執筆する
  4. 投稿する
  5. 投稿後
  6. アクセプト後

それでは、個別のプロセスについて詳しく見ていきましょう。

  1. 準備―普段からできれば理想的

    準備は、執筆直前に慌てて行うのではなく、普段から空き時間を見つけて取り組んでおくことが理想的。研究室のミーティングや学会発表のたびにこまめにデータをまとめておけば、スムーズに論文執筆にとりかかれます。準備の段階でやるべきことは次の3つです。

    【1】データ整理
    実験データを整理し、結論を導き出せるかどうかを検討します。さらに、指導教員と相談しやすいようにわかりやすい図にまとめます。

    【2】文献収集
    類似研究の文献を読みこみ、自分の研究や実験結果に新規性があるかどうかを検討します。論文執筆時にはこのとき読んだ文献を引用するため、後で見つけやすいように分類しておきましょう。

    【3】教授に相談する
    経験豊かな指導教員とディスカッションを行うことで、新たな気づきがあるでしょう。自分の考えをしっかりと伝え、論文としてまとめるための道筋を相談しましょう。

  2. ジャーナルを選ぶ

    ジャーナルの選択によってアクセプトまでの期間に大きな差が生じます。最終決定は論文の執筆が本格化した段階でもよいのですが、早い段階で方針を決めておくほうがよいでしょう。

  3. 執筆する―論文執筆の時間を確保しよう

    夜遅くまで実験をしながら論文執筆の時間を捻出するのは至難の業です。しかし、時間を確保しない限り論文は永久に完成しません。

    執筆スタイルは人によって様々です。実験後にコツコツ取り組む人もいますし、実験の手を止めて集中して書く人もいます。ただし、実験をすべてストップしてしまうと、リバイスで追加実験が必要になったときに、系を立ち上げ直す苦労が発生してしまいます。身近な先輩たちにも相談し、自分に合ったスタイルを見つけましょう。

    執筆の流れは以下の通りです。

    【1】アウトラインを作る
    まずは論文全体の設計図であるアウトラインを作ります。アウトラインを作らずに、いきなり論文を書き始めるのは危険。全体の枠組みを決めた段階で、執筆前に指導教員とディスカッションすることをおすすめします。

    【2】図表を作る
    アウトラインに沿って必要な図表を作ります。大量に実験を行っていてもすべてのデータを載せるわけにはいきません。データを取捨選択し、メッセージが伝わる図を作りましょう。

    【3】本文を書く
    着手しやすい項目からどんどん書いていきましょう。ただしAbstractは最後に書くことをおすすめします。

    【4】タイトル・アブストラクト・引用文献
    投稿規定に沿ったもので、かつ内容の伝わるタイトルになっているか、アブストラクト(Abstract)はわかりやすいか、引用文献(References)で抜けや間違いがないかなど、最後まで気を抜かずに仕上げていきます。

  4. 投稿する―複雑な投稿規定と格闘する

    投稿はオンライン上で行うことがほとんどです。投稿規定もそこに詳しく書いてあります。細かい規定は投稿が近づいてから確認すればよいのですが、早い段階で一通り読んでおくことをおすすめします。ジャーナルによって投稿規定が異なるため、執筆前に頭に入れておくと、後からやり直しをする必要もなく効率よく進めることができます。

  5. 投稿後の試練―リバイスかリジェクトか

    編集者からの返事に「Accept」と書いてあればほぼ間違いなく採用決定ですが、そうでない場合はレビュアーのコメントに応えて再投稿するのか、あきらめて他の雑誌に投稿するのかを考える必要があります。教授や先輩の意見も聞いて作戦を練りましょう。

  6. アクセプト後―まだまだやることはたくさん

    論文がアクセプトされるのは、うれしいものです。苦労した分、喜びも大きいことでしょう。ただし、ひと仕事終えたからといって旅行などの予定を入れるのは待ってください。アクセプト後にもやるべきことが存在するからです。

    著者の全員にサインをもらったり(License Agreement)、校正刷り原稿(Proof)を受け取ってから72時間以内に校正をする必要があったりなど、投稿前よりタイトなスケジュールが要求されます。

 

以上、論文の準備からアクセプトまでの流れを紹介しました。全体像が見えるとゴールをイメージしやすくなって、モチベーションの維持にもつながりますよね。さっそくカレンダーをめくって執筆計画に取りかかりましょう。

同じカテゴリの人気記事ランキング

下記フォームでは、M-hub(エムハブ)に対してのご意見、今後読んでみたい記事等のご要望を受け付けています。
メルクの各種キャンペーン、製品サポート、ご注文等に関するお問い合わせは下記リンク先にてお願いします。

メルクサポート情報・お問い合わせ

*入力必須

    お名前 *

    メールアドレス *

    電話番号 *

    勤務先・所属先 *

    お問い合わせ/記事リクエスト内容 *

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。