自己紹介から始めよう!研究者のための英語コミュニケーション術と習得法
自己紹介するときに気をつけたいこと
今年こそ英語を何とかしたいと思っている人に向けて、海外で暮らしている研究者から様々なアドバイスをもらいました。英語のコミュニケーションの始まりは自己紹介です。まずは、自分の名前や出身地を紹介するときに気をつけたいことについて聞いてみたところ、こんな意見が出ました。
- 口頭では“My name is~”はあまり使わず、“I’m~”を使います。
- ”I’m originally from Japan.”というフレーズはよく使います。たとえばシンガポールで研究している日本人がアメリカの学会に行ったときなどに使えるフレーズです。シンガポールから来たと言うだけでは、日本人であることが伝わらないのでoriginallyと付け加えることで現在の住所と混同させることなく伝えることができます。
- 日本人の名前は海外の人には発音しにくいので、呼びやすいニックネームをあらかじめ考えておいて、自己紹介のあとに”Please call me (ニックネーム).”と言うと覚えてもらいやすかったです。
- 逆に相手の名前の発音が難しいときは、”How would you like me to call you?”や、”May I know how to pronounce your name?”などと尋ねています。
- 自分の専門分野を説明するときは、“I obtained my PhD in~”や、 “My research interests are~.”をよく使います。あまり使わないのは、”my speciality”です。その道を極めていると主張してる感じになります。また、“my major” だと研究の専門分野というよりは学部生が大学の所属学部を説明するときの表現になってしまいます。
- 趣味の話は盛り上がります。英語で語れるようになっておくといいと思います。
- 意外に重要なのが、自国のことに関してよく知っておくことです。日本に興味を持ってくれる人はたくさんいます。自分の国について英語で紹介できれば、相手も興味をもっていろいろ質問してくれるので、英語を使う機会が増えていきます。
研究生活や学会で英語を使うときの注意点
研究を続けていくうえで避けては通れない英語の壁。学会での発表、論文の解読から執筆にいたるまで、英語ができないと困る場面は無数にあります。どんなふうに自己アピールをしていくのか、またどうやってコミュニケーションをとっていくのか、経験から得られたアドバイスを語ってもらいました。
- 英語のプレゼンはとにかく練習あるのみ。抑揚と発音に気をつけて、毅然とした態度で言葉をしっかり選んで話すことが大事です。
- プレゼンの質疑応答で相手の質問が聞き取りにくかったら、“Your question is...” と、相手の質問の意図を確認します。そのときに、言葉がわからないんじゃなくて質問の意図がわからないだけだと思われるよう、堂々とした態度を貫くことがポイントです(笑)
- 論文の英語は何度も人に見てもらい書き直しながら学んでいきました。グラントや論文のライティングは、周りの人からフィードバックを何回も受けることと、慣れるまでたくさん書き続けることの2点が大切です。書いてフィードバックをもらって、また書き直して、というサイクルを恥ずかしがらず、迷惑だと思わず、何度も繰り返すことで英語力が身についていきました。
- 英語のライティングに関しては、簡単な文法のミスはGrammarlyというアプリを使って修正しています。 スマホでも使えますし、WindowsならばMicrosoft Wordに組み入れることも可能です。
経験者が語る英語の習得法
最後に、英語の習得法について、実体験に基づいたアドバイスを紹介します。
- 英会話上達の第一歩は間違いなく、恥ずかしがらないことです。大きな声で、語尾までしっかり発音する必要があります。英語は子音が大事。聞き取ってもらうにはそれなりの発声量が必要なのです。また、舌の使い方だけでなく、唇の使い方にも注意して練習しましょう。
- 私の場合、渡英して最初の1か月間は日本人の友人は作らず、Non-Japaneseの友達と毎週出かけました。1年後、Chinese EnglishもFrench EnglishもItalian EnglishもIndian EnglishもGerman Englishも大体わかるようになり、電話応答ができるようになりました。留学した場合は、積極的に日本人以外と交流すると上達が早いと思います。
- 私はメールのやりとりで英会話の語彙を増やしていきました。会話だと、その場限りで消えてしまう言葉も、メールだとしっかり文章で残っています。やり取りの中で気に入った表現があったら覚えておきます。相手が使ってきた英語を、自分も使ってみるうちに、表現も覚えてやりとりの幅が広がってきました。使える英語が増えると、聞こえる英語も増えてきます
- スーパーカジュアルな英会話は映画やテレビをAmazon.com で字幕付きで毎日鑑賞しているうちに、少しずつ覚えていきました。How dare you!(よくもまあ…!)など、使用頻度は低いけど、笑いを取るときに重要です。
- 書き言葉は訓練が必要です。特に日本ではシチュエーションに応じた文章の書き分けを大学で教えませんが、英語圏では、ビジネスでも科学分野でも書き分けがあります。書き分けがあるということを意識して、様々な文章に触れて学んでいくといいと思います。
以上、英語の勉強法についてのアドバイスをお届けしました。人によってコミュニケーションのスタイルも勉強法も様々で正解はありませんが、ぜひ、この記事の参考にして自分に合う方法を見つけてくださいね。
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