マルチプレックスアッセイで、バイオマーカースクリーニング実験を効率的に

マルチプレックスアッセイで、バイオマーカースクリーニング実験を効率的に

タンパク質バイオマーカーのイムノアッセイ

マルチプレックスアッセイは、ひとつの生体サンプルから一度に多項目の情報を取得する実験手法の総称です。

タンパク質バイオマーカーのイムノアッセイとして、最も代表的な実験手法にELISAがありますが、タンパク質バイオマーカーのマルチプレックスアッセイもELISAと同様、目的分子に特異的な抗体を用いて免疫検出を行っています。

では、その違いとはなんでしょうか。

それは、目的分子を捕らえる抗体が結合している「固層(アッセイプレートの底面やビーズ)」が、他の分子を捕らえる抗体が結合している固層と物理的に隔離されていたり、色分けされていたりするなど、検出時に識別できるようになっている点です。

すなわち、特殊な固層上に形成された抗原抗体複合体の量を、固層ごとに分離・分類しながら測定することで、1サンプル中から多項目の情報を取得することが可能になるのです。ちなみに、固層ごとに分離・分類しながら測定する手法としては、フローサイトメトリーやイメージングが挙げられます。

マルチプレックスアッセイ のメリット

また、ひとつのサンプルからひとつの情報を取得するELISAなどの実験と比べて、マルチプレックスアッセイのメリットは以下のようにまとめることができます。

  1. アッセイに必要なサンプル量を大幅に減らせる
  2. 実験の操作の労力が大幅に軽減される
  3. 実験にかけるコストが軽減される

まずは①の「サンプル量の削減」。マルチプレックスアッセイでは、新生児由来の血液やマウスの血液といった「大量の採取が困難なサンプル」や、過去に取得または保管してあって「再度取得することができない貴重なサンプル」などから、より多くの情報を引き出すことが可能です。一方で、一度に多項目のアッセイを行うため、その測定系の精度管理が複雑になることは意識にとどめておかなければなりません。

②の「実験の操作の労力が大幅に軽減される」というのも意外と重要なファクターです。 ELISAでは、測定対象項目が増えると、その分ハンドリングするプレートの枚数も増えます。プレート枚数の増加は、ピペッティング作業の増加に直結し、実験者の疲労やハンドリングミスによる実験のバラツキや失敗のリスクとなります。マルチプレックスアッセイでは、多項目測定を1枚のプレートで行うため、そうしたバラツキやミスのリスクを軽減できます。

最後に、③の「実験にかけるコストが軽減される」について。ELISAキットと比較した場合、マルチプレックスアッセイキットは、多項目になるほど1項目あたりのコストが減る価格設定になっています。さらに使用するピペットチップなどの消耗品が削減されたり、サンプル採取からアッセイまでの実験を行う方の作業量も減るので、生産性の向上にもつながります。

メルクのマルチプレックスアッセイ

メルクでも「タンパク質バイオマーカー」のマルチプレックスアッセイに使用する製品を取り揃えており、そのプラットフォームは次の2つから構成されています。

「ルミネックス社が開発し特許を有している xMAP技術 を用いた専用装置」と「独自のアッセイ開発技術によって高度にバリデーションされたMILLIPLEX キット(マルチプレックスアッセイキット)」がそれです。

メルクではMILLIPLEXキットの開発と製造に高度な品質基準を設定するとともに、ユーザーが行った実験の妥当性を評価するためのクオリティーコントロールタンパク質を同梱するなどして、安定した実験データの提供に努めています。ヒト、マウス、ラットといった一般的な動物種のほかにも、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタといった動物種に対応したキットも開発、販売。近年では、がん免疫チェックポイントやマイオカイン、自己免疫疾患など、ニーズを捉えた最新の研究トレンドにも対応しています。

サンプルが少量しかない場合や、実験の効率を上げたいときには、ぜひ、マルチプレックスアッセイに挑戦してみてくださいね。