純水製造装置を比較検討!使用用途に合ったものを選ぼう

純水製造装置を比較検討!使用用途に合ったものを選ぼう

毎日使っているその純水、水質は本当に大丈夫?

実験室で毎日のように使っている純水。蛇口をひねれば出てくるその純水がどこで作られているか、知っていますか? 超純水の場合は、研究室に設置している装置の中で作られています。というのも、超純水は製造された直後から水質劣化が始まるからです。そのため、超純水の製造は、それを使用する場所で行われる必要があるのです。

では、純水はどうでしょうか。

純水の製造も超純水と同様に、実際に使う研究室で行われることが一般的ですが、そうではないシステムを使用している研究室もあります。「セントラル純水システム」と呼ばれている集中大型純水供給システムによる純水製造方式で、ある場所で製造した純水を各研究室に供給する方法です。セントラル純水システムは各研究室での装置管理が不要というメリットがありますが、水質面では多くの問題を引き起こします。

下の表を見てください。これはユースポイント純水装置と、セントラル純水システムを比較した表です。この表からわかるように、セントラル純水システムは、水質の面でも管理の面でもユースポイント純水装置に劣っていることがわかります。

ユースポイント純水装置とセントラル純水システムの比較

セントラル純水の水質は部屋ごとに違っている

セントラル純水の大きな問題点として、製造点での水質が使用点まで維持されないことが挙げられます。製造点と使用点を結ぶ配管が長ければ長いほど、配管中で微生物が増殖してしまいます。微生物汚染を受けると、有機物濃度(TOC)の上昇が起こります。このため、セントラル純水は同じ装置で製造されたものであっても、配管経路や取水位置あるいは取水時期によって得られる水質は変わってしまうのです。(図1・2)

図1 セントラル純水水質の部屋間比較および季節変動(TOC)

図2 セントラル純水水質の部屋間比較および季節変動(生菌数)

さらに、セントラル純水は配管時に水質劣化があるにもかかわらず、水質管理は製造点のみで実施され、使用点では行われていない場合が一般的です。セントラル純水の最大の問題点は使用者がこのことに気づかず、いつどこで採水しても水質の良い水が得られていると思い込んでいることかもしれません。水質が劣化した純水を使えば、実験結果に支障をきたしてしまうこともあるでしょう。

大型の純水製造設備と小型純水装置のメリットを両立させるシステム

水質を重視するなら研究室に小型純水装置を置く方法もありますが、大量に純水を使用する場合には供給が間に合わない、管理が大変、維持コストが高いなどの問題点があります。「Milli-Qループセントラル」は、大型の純水製造・送水設備と、小型純水装置のメリットを両立させた純水製造・循環送水システムです。

Milli-Qループセントラルは、「高流量純水製造装置Milli-Q HX 7000シリーズ」と「配水機能付純水貯水タンクSDS500」を組み合わせたシステムです。施設の部屋・フロア毎で必要な水質と水量(1日当たり200 L~5,000 L)の純水を供給することができ、フロア内の必要な場所で水質の高い純水を使用できる環境を容易に構築できます。

これまでのセントラル純水システムと比較して、次のようなメリットがあります。

  • 使用目的に応じた適切な水質の供給ができる
  • 純水設備・純水配管の改修・更新時のコスト減
  • 設備設計の煩雑さの解消
  • 短納期で対応できる
  • メンテナンス時も施設全体で純水供給を停止しなくてよい

また、日常管理におけるユースポイントに近い箇所での水質管理や、中長期で要求される純水製造能力の増減への対応など、運用後の要求仕様へ高い自由度で対応が可能です。大型の純水製造・送水設備と使用点毎の小型純水装置の優れた点を両立させることで、施設での業務効率、生産性を高めることができます。

セミプラント・大型施設にも最適なシステム

水質は気になるけれど、施設が大きいから大型システムを導入するしかないとあきらめるのはまだ早いかもしれません。研究施設やセミプラント、バッチ式の製造プラントなどで必要とされる純水システムは、施設や使用目的ごとに違うはずです。また、一度導入したシステムも、研究室の人数が増えて規模が大きくなったり、研究内容のバリエーションが増えた場合は、より最適なシステムを見直すことも必要になります。

Milli-Qループセントラルシステムでは、種類が豊富な純水製造装置から適切なスケールの機種を選ぶことで最適なシステムを構築することができます。同一水質でのスケールアップ・ダウンサイズが機種変更だけで可能なため、将来、純水の必要量が変わった場合にも容易に対応できるというメリットがあります。

純水装置の製造・販売をしているメルクは、研究者たちの要望に応えてきた純水システム構築の専門家でもあります。自分の研究室に最適な純水システムはどういうものなのか、一度お気軽に相談してみてくださいね。

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