カールフィッシャー法でよくあるトラブルと解決法

カールフィッシャー法でよくあるトラブルと解決法

微量な水分を測定できるカールフィッシャー法

試料中に含まれる水分量を測定したい。そんなとき、最もよく用いられる方法のひとつが「カールフィッシャー法(以下、KF法)」です。KF法の名は、ドイツの化学者Karl Fischerから名づけられました。1930年代にKarl Fischerによって発表された方法ですが、現在も世界中で用いられています。

KF法を用いれば、極めて少量の水分含有量(1%未満)や少量しかない高価な物質でも、水分含有量を決定することができます。測定環境にもよりますが、100 μg程度の水分も定量することが可能です。また、水との化学反応に基づいて測定を行っているため、絶対量が求められるという特長があります。

KF法を適用できる対象は非常に幅広く、食品、化学製品、医薬品、化粧品や石油製品などあらゆる分野で用いられています。化学分野の研究室でもよく使われる手法です。

この記事では、実際にKF法を用いるときに起こりがちなトラブルとその原因について紹介していきます。

KF法で起こりがちなトラブルとは

KF法は、ヨウ素と水が1モルずつ反応することを利用して水を定量します(KF法の原理については「世界中で用いられる水分測定法『カールフィッシャー法』とは」をご覧ください)。微量の水分を正確に測定するためには実験者の熟練が必要ですが、最近はさらに操作しやすい水分計も登場し、経験が浅い人でも比較的容易に測定できるようになりました。KF試薬を設置し、画面操作に従えば測定できるようになったのです。

ただし、どんな実験にもトラブルはつきもの。メルクによく寄せられる相談内容を以下に挙げてみました。

  • 水分値が実際よりも高くなる(または、低くなる)
  • 水分値がばらつく
  • 終点が来ない(測定が終わらない)
  • 水分計のドリフトが安定しない
  • 測定する日によって分析値が異なる
  • 得られた水分値が本当に正しいかどうかわからない

このようなときは、いったい何に注意したらよいのでしょうか。

値を惑わす副反応に要注意

水分値が安定しない理由のひとつに、副反応が影響していることが挙げられます。副反応とは「KF試薬と水の反応」以外の反応です。

KF法で水分量を測定するためには、KF試薬と試料中の水が反応する必要があります。ところが、KF試薬が水だけではなく試料中に含まれるほかの物質とも反応すると、副反応が起きてしまいます。

新たな水が生成されたり、反対に水を消費したりするような副反応が起きてしまうと、本来の水分値とは違う値が出ることがあります。また、終点が来ないといった現象も副反応が原因となっていることがあります。

このような副反応を起こす物質の例を、以下に挙げてみました。

  • ケトン、アルデヒド
  • シラノール
  • チオール
  • 過酸化物
  • 無機塩
  • 強塩基性化合物
  • 強酸      

測定が上手くいかない場合はこれらの物質の有無を確認し、副反応が起きていないかの検証をおすすめします。また、化合物の違いによっても副反応の影響は変わるため、注意が必要です。副反応の詳細はインハウスセミナーやご訪問して直接お話することもできますので、まずはメルクにお尋ねください。

困ったときはメルクにお問い合わせください

いったん実験に行き詰まると、なかなか抜け出せないものです。そんなときは経験者に相談したり、他の研究者のトラブルシューティングを共有したりすることで、突破口が開けるかもしれません。

メルクでは、KF法についてのウェビナーやインハウスセミナーを無料で提供しています。ウェビナーは基本的な内容を約1時間行います。オンライン環境下であればどこでもご参加いただけます。インハウスセミナーはお客様のご希望に応じて、講義内容、時間、場所などを調整します。カールフィッシャーセミナー事務局(Email: jpmcom@merckgroup.com)にお気軽にお問合せください。

ここ最近でご依頼が多い、副反応、水分計のバリデーションやKFと薬局方(JP、USP、EP)の要求事項に関する内容などについても最新の情報を盛り込んでお話しています。

また、メルクではKF試薬やアプリケーションも多数取り扱っています。

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