定量NMR(qNMR)とは?
通常、有機物の純度はHPLCかGCで測定されますが、クロマトグラフィーを用いた純度は、検出したシグナルの面積値の割合に基づいており、この方法では、異なる物質は異なる強度を示すことがあるということは考慮されていません。すべての不純物が検出器に届く、もしくは届いても検出できるわけではないため、クロマトグラフィーを用いた純度は、真の値とはかなり異なることも考えられます。この問題は、同じ物質の純粋な標準物質で同じクロマトグラムを取得できれば解決できます。しかし、有機化合物は無数の種類があり、適切なクロマトグラフィー用標準物質を見つけることが困難です。
しかし、qNMRは、プロトンNMRを用いた定量法で、その標準物質は分析対象物と同じ化学構造でなくてもよいことがわかっています。そのため少数の標準物質だけで多数の有機物質の定量が可能となります。
また、SI単位系(Système International d'Unitès)へのレーサビリティも確保し、1Hや31Pなどの他の原子核用の標準物質の認証を可能にします。
弊社の分析情報誌AnalytixReporterに、弊社の認証標準物質CRMを開発するための31P qNMR測定による定量のコンセプトを示しています。また、国立標準技術研究所(NIST SRM)の一次標準物質へのトレーサビリティを確立するための手法も記載しているのでご参考ください。詳細はこちら
弊社では、方法検証の長いプロセスを経て、ISO/IEC 17025およびISO Guide 34の認定を受けた後、2009年に1H qNMRを使用したCRMの開発を始めました。2010年の最初のCRMの発売以来さらに開発を続け、現在では、1H qNMR用に15種、クロマトグラフィー用に約180種のCRMを揃えています。弊社は、qNMRユーザーコミュニティから多くのフィードバックと新製品への提案をいただいています。
詳細な情報ならびに1Hおよび31P qNMR用の入手可能なCRMについては、弊社のウェブサイトをご覧ください。弊社サイト
詳細な情報ならびに1Hおよび31P qNMR用の入手可能なCRMについては、こちらの関連カタログをご覧ください。
参照元
図1: Analytix vol.19
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