効率アップ!マルチプレックスアッセイ、カスタマイズの成功事例

効率アップ!マルチプレックスアッセイ、カスタマイズの成功事例

医薬品や農薬の開発過程で活躍するマルチプレックスアッセイ

少ないサンプル量と工数で、迅速に最大500種類ものバイオマーカーの測定ができるマルチプレックスアッセイ。多くの化合物をスクリーニングする必要のある医薬品や農薬の開発過程では、作用機序を解明したり、毒性を確認したりするときなどにマルチプレックスアッセイはなくてはならない存在となっています。

しかし、そのような便利さの反面、高度に最適化されている市販のアッセイキットでは融通が利かないことも。例えば、測定項目が多かったり足りなかったり、測定レンジがあらかじめ決まっていたり……。

一方、メルクのマルチプレックスアッセイキット、「ミリプレックスキット」は目的に応じたカスタマイズが可能なので、そのような課題も問題なくクリアに。以下、農薬開発の分野で、「ミリプレックスキット」をカスタマイズすることで内分泌撹乱作用のスクリーニングに成功した事例をご紹介します。

農薬開発で問題となる内分泌かく乱作用

農薬開発では人体や周辺環境に対する安全性が極めて厳格に求められ、販売にあたっては各国の厳しい登録基準を満たす必要があります。とくに問題になるのが、内分泌かく乱作用です。

内分泌かく乱作用とは、化学物質が人や動物の体内であたかもホルモンのように作用して、成長パターンや生殖機能の異常を引き起こしたり、癌を引き起こしたりすることをいいます。

例えば、イギリスの淡水域および河口域に生息する魚類は、排水中の多くの化学物質による女性ホルモン様作用により雌性化していることが明らかとなっています。ほかにも、鳥の卵殻が薄くなったり、卵が割れる現象なども報告されています。

このような作用をもつ内分泌かく乱物質について、人に対しても同じような作用があるのではないかと懸念されていますが、不明点も多く、解明に向けて国際的な取り組みがなされています。そのため、農薬開発では規制強化に迅速かつ柔軟に対応し、あらゆる有害作用について検討することが必要となります。

市販キットのカスタマイズで研究開発をより効率的に

例えば、農薬の研究開発を行っているフランスのバイエル社作物学部門では、ヒト腎細胞を用いて、ステロイドホルモンがどの程度発現し、内分泌かく乱物質によりその機能がどのように変化するかを研究しています。ここで各種ホルモンの濃度測定に活躍するのがマルチプレックスアッセイです。

ある時、研究チームでは、ミリプレックスキットに含まれているホルモンの測定レンジを変更し、標準曲線を最適化する必要が出てきました。市販のキットでは、サンプルを希釈して測定しなければならなかったのですが、正確なホルモン濃度の報告が求められる毒性試験では、希釈操作は測定精度の低下につながる恐れがあります。

そこで、メルクのカスタムイムノアッセイチームと共同でミリプレックスキットをカスタマイズし、サンプルを希釈しなくても測定できるよう最適化しました。

また、新たにホルモンを測定できるようにする必要もありましたが、こちらもカスタマイズに成功し、エストラジオール、コルチゾール、プロゲステロン、テストステロンなどのステロイドホルモンのほかに、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモンも測定できるようになりました。

希釈操作を省くことで精度を向上し、測定項目を追加することで時間と手間を大幅に節約し、より効率的に農薬の研究開発を進めることができるようになったのです。

このように、メルクでは、ミリプレックスキットのラインナップに存在しないキットを製造するミリプレックスカスタムサービスにより、研究者のみなさまのご要望にお応えしています。研究を進めるときに、測定したい項目がマルチプレックスアッセイキットに含まれていないときには、ぜひご相談ください。

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